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2026年7月13日 ❘ 活用事例

ピラティススタジオにおけるBREVI活用事例
〜呼吸の可視化が継続と変化への橋渡しになる〜

ピラティススタジオ「セライブ&スマイル」のスタジオ風景

ピラティスの現場では、「呼吸を教える」ことが難しいと感じる場面が少なくありません。インストラクターがどれだけ丁寧に言葉で伝えても、お客様自身がご自身の呼吸パターンを実感しにくく、指導者とお客様との間に認識のギャップが生じることがあります。

今回は、愛知県でピラティススタジオ「セライブ&スマイル」を運営されている井戸健太さんにご協力いただきました。井戸さんは「呼吸を教える」のではなく、呼吸が自然に行える身体状態を段階的に構築することをとても大切にされています。そのような考え方の井戸さんと呼吸状態を客観的に可視化するBREVIが出会ったのは、ごく自然な流れでした。

身体の変化を感覚だけでなく“見える形”で共有できることは、お客様の理解や納得感を深めるだけでなく、スタッフ間での共通認識づくりや、スタジオとしての価値を伝えるうえでも大きな意味を持っている、と井戸さんはいいます。

本記事では、BREVIをピラティスのセッションの中でどのように活用されているのか、その具体的な流れや実際の事例に加え、呼吸の可視化がスタッフ間の共通言語づくりや、呼吸を大切にするスタジオとしての差別化にどのようにつながっているのかまで、詳しくご紹介いただきます。

今回お話いただいたのは

井戸 健太 様

代表インストラクター・柔道整復師 井戸 健太 様

(セライブ&スマイル代表)

https://aozoratokai.com

初めまして、KENTAと申します。柔道整復師として臨床経験を積みながら、ピラティスの指導と並行して、入谷式足底板を活用した足底からのアプローチも組み合わせることで、呼吸・姿勢・動作を統合的に捉えることができると考えています。今回はBREVIによって呼吸が客観的に見えることで、お客様との関わり方の変化をお伝えできればと思います。

今回お話を伺ったのは、セライブ&スマイル代表の井戸健太さんです。井戸さんは愛知県でピラティススタジオを開業されており、幅広い視点からクライアント様へご対応を行っておられます。今回はBREVIを活用した実践例をもとに、呼吸が見えることでお客様の理解や行動にどのような変化が生まれたのか、現場でのリアルな活用方法についてお話を伺いました。

ピラティスと呼吸の関係性

私がスタジオで一貫しているのは、呼吸を「教える」のではなく、「呼吸が行える身体状態を整える」という考え方です。身体は強制しようとするほど反発します。だからこそ、まずお客様自身がご自身の呼吸に気づくことが、すべての出発点になります。

|ピラティスセッションで感じていた限界

口頭での指示だけでは、お客様が「今どんな呼吸をしているか」を客観的に把握することは難しい。インストラクターからは視覚的な変化が見えても、お客様本人はなかなか実感を持てない。この「ギャップ」を埋めるために、BREVIの導入を決めました。

では、身体が整うことで具体的にどのような変化が起きるのでしょうか。筋緊張が強い状態では、横隔膜や肋椎関節、胸郭などが硬くなっています。すでに頑張っている状態にさらに頑張らせても、呼吸はしにくくなるだけです。だからこそ、まず緩めてあげること、緊張を取ってあげることが先決です。そうすることで、自然と深く呼吸ができるようになっていきます。

私が大切にしているのは「何かを足すのではなく、引く」という発想です。過緊張を解放することで、呼吸は自然に深まっていく。これがピラティス指導において呼吸を土台に置いている理由でもあります。

BREVIを活用したセッションの実際

|初回セッションでのBREVI活用の流れ

1セッションのスケジュール(クライアント様あたり50分で実施)

1セッション50分の流れ:問診(5分まで)、BREVI計測(7分まで)、施術・ピラティスなどエクササイズ(43分まで)、BREVI再計測(45分まで)、フィードバック・クロージング(50分まで)

初回セッションは、およそ50分で実施しています。まずは問診を行い、その日の体調やお困りごとを確認します。問診に時間がかかる場合でも5分程度で、特に大きな問題がなければすぐに評価へ進みます。

その後、姿勢評価とあわせてBREVIによる呼吸測定を実施します。BREVIの測定は1〜2分程度で行えるため、セッションの流れを止めることなく、現在の呼吸状態を客観的に把握することができます。

評価後は、呼吸の状態や身体の特徴を踏まえながら、施術やピラティスなどのエクササイズを中心に介入を行います。呼吸だけでなく、全身の動きや姿勢とのつながりを意識しながらセッションを進めていきます。

セッション終了時には、再度BREVIで呼吸を測定し、介入前後の変化を確認します。測定結果はその場で細かく説明するのではなく、ビフォーアフターとして比較しながらお伝えすることで、お客様にも身体の変化を実感していただきやすくなります。

また、セッション冒頭では「体調が良いか悪いか」を最も重視しています。最近ではBREVIの測定とあわせて血圧も確認するなど、バイタルチェックを丁寧に行っております。

今回は、こうした流れの中でBREVIを活用した実際のケースをご紹介します。呼吸評価からどのように身体の状態を捉え、セッションを進めていったのかをご覧ください。

|今回ご紹介するお客様

今回ご紹介するのは、40代女性のクライアント様です。デスクワーク中心の生活で、肩こりと頭痛が長年の悩みでした。ストレスチェックでは常にスコアが高く、全身の筋緊張が強い状態が続いていました。

|安静時の呼吸と身体評価の方向性

初回の姿勢評価では、呼吸のたびに肩が持ち上がるような動きが確認されました。また、骨盤が過剰に前傾して下位肋骨が外旋した、いわゆるオープンシザースの傾向がみられ、吸気時にはお腹が前方へ突き出る呼吸パターンが認められました。

こうした呼吸の代償パターンは、肩こりや頭痛、さらに腰部の慢性的な筋緊張とも深く関係していると考えています。実際、このお客様は腰痛も抱えており、全身の筋緊張が強く、呼吸数も多い状態でした。

そこでまずは、ご自身の身体の状態を客観的に知っていただくことが重要だと考え、BREVIを用いて呼吸の計測を行いました。

|BREVIによる初回測定値

胸郭と腹部の動きはいずれも非常に小さく、一方で呼吸数は多い状態でした。全身が緊張し、呼吸をしていても身体がほとんど動いていないようなイメージでした。

  • 呼吸数:18回/分
  • 胸部の動き:0.4mm
  • 腹部の動き:1.7mm
介入前のBREVI計測結果(胸部と腹部の動きの波形)

|介入の手順

私のスタジオでは、運動や呼吸法を「教える」というよりは、まずご自身の呼吸が客観的にどうなっているかを知っていただくことを重視しています。そして、自分自身の呼吸が浅いという自覚がない方が多いため、具体的には以下の手順で進めました。

  1. BREVIの結果をお見せした上で、仰向けに寝て、膝を曲げた状態で呼吸をしてもらう
  2. 実際に息を吸って、吐いてを繰り返しながら、ご自身の身体の動きを確認していただく
  3. 「肩が上がっていませんか?」「お腹が前に出すぎていませんか?」とお伝えしながら、ご自身の呼吸を感じてもらう

このようにご自身の呼吸が感じられたら、次は呼吸をする際に「肩が上がらないように」「お腹が前に出ないように」を意識しながら、ゆっくり呼吸をしていただきます。

この方法はご自宅でも簡単にできます。お客様には「寝る前に少しやってみてはいかがでしょうか?」とお伝えしています。まずは自分自身の呼吸の状態を知るだけでも、非常に効果があります。このクライアント様にはその後、脊柱の動きを引き出すピラティスのエクササイズをいくつか行いました。

|セッション後の変化

終了後に再度測定を行ったところ、以下のような変化が見られました。

  • 呼吸数:13回/分
  • 胸部の動き:1.1mm
  • 腹部の動き:5.2mm
介入後のBREVI計測結果(胸部と腹部の動きの波形)

特に何かを強く意識していただいたわけでもなく、強度の高いエクササイズを行ったわけでもありません。それでも、お客様からは「すごく楽になった」というお声をいただきました。

このように、主観的な変化と客観的なデータを組み合わせることで、結果がお客様の深い納得感につながっていきます。

|継続セッションでのBREVI活用

ピラティスマシンを使ったセッション風景

2回目以降のセッションでは、毎回必ずBREVIで計測しているわけではありません。ただし、呼吸のチェックは毎回行っています。また、呼吸の変化が見られてきた3〜4回目のタイミングで再測定しています。もちろん、呼吸の状態が気になる日にも、病院で血圧を測るような感覚でBREVIを使用しています。お客様の主観的な感覚と、BREVIによる客観的なデータが一致しているかを確認することが多いです。

前回のセッションからの呼吸の変化を見る際には、以下の3点を確認しています。

  • 呼吸数
  • 呼吸の際に胸郭が動いているか?
  • 深い呼吸ができているか

何か気になる点があった際には、その場でBREVIを用いて呼吸を測定し、お客様にもデータをご確認いただいています。客観的なデータとして変化を可視化することで、説明にも説得力が生まれ、お客様にも納得していただけることが多いです。

|呼吸とIAP(腹腔内圧)との関係

横隔膜を中心とした呼吸が整っていくにつれて、腹腔内圧(IAP)の形成も促されます。このIAPが体幹の動的安定性を高めることで、ピラティスの各エクササイズをより質の高い状態で行えるようになります。呼吸の変化は、エクササイズの効果とも直結しているのです。

呼吸の可視化がもたらす変化

ピラティスに携わる方の多くは、「呼吸が大事」とおっしゃいます。一方で、呼吸を評価し、データとして活用している現場は、まだ非常に少ないのが現状です。こういった、簡単に計測・評価できるツールが世の中にあまりなかったこともその一因だと思います。

今後は、他の施設との差別化を図るうえでも、こうした客観的な視点・ツールはますます必要になってくるのではないでしょうか。

|スタッフ間の共通言語としてのBREVI

データによって呼吸を可視化することで、自分だけでなくスタッフとも共通認識を持てるようになります。「この方は呼吸数が多い」「腹部の動きが少ない」といった情報をチームで共有できるため、セッションの質も安定しやすくなります。

特に、「呼吸が浅い」「呼吸が深い」といった言葉の定義をスタッフ間で統一できるようになってきたことは、大きな変化です。これまで感覚的に使われていた表現が、BREVIのデータを介することで共通言語になります。それは、スタッフとお客様との共通認識にも自然とつながっていきます。そういった意味でも、BREVIを導入して本当によかったと感じています。

|呼吸を大切にするスタジオとしての価値

BREVIを導入したことで、呼吸をきちんと意識し、呼吸を大切にしているスタジオであることを、より明確に伝えられるようになりました。「どのように呼吸を大切にしているのか」を目に見える形でお伝えできるため、お客様の納得度も高まりやすくなっています。

今後は、深く深呼吸できるようなスタジオをつくっていきたいと考えています。他のフィットネススタジオが「呼吸を大事にしている」と伝えていても、実際に可視化したり、データを取ったりしているところは非常に少ないのが現状です。エビデンスも含めた唯一無二のスタジオを目指すうえで、BREVIは欠かせないツールになっています。

最近では血圧との関係にも着目しており、今後も新しい知見を取り入れながら、呼吸を軸にさまざまなアプローチを広げていきたいと思っています。

最後に

ピラティススタジオは「見えないもの」を扱うことが多い現場です。呼吸も、体幹の安定もその典型です。BREVIはそれを「見えるもの」に変えてくれます。

お客様ご自身が身体の変化に気づくことは、より良い身体づくりにつながる大切な一歩です。BREVIによる呼吸の可視化は、その気づきを自然に引き出し、お客様の理解や納得感を深めてくれます。今後もBREVIを活用しながら、呼吸を起点とした身体づくりを、お客様とともに進めていきたいと考えています。

編集部まとめ

今回の事例から見えてくるのは、「呼吸を教えようとしない」というアプローチが、むしろ呼吸の深い変化を引き出すという逆説です。筋緊張を緩めること、身体の余計な力を引いていくことで、呼吸は自然に整っていく。これは、ピラティス指導における一つの本質的な視点といえるかもしれません。

また、呼吸は無意識に行われる動作であるため、お客様自身がその変化に気づきにくいのが現実です。BREVIによる可視化は、その「気づき」を客観的データとして提示することで、主観と客観のギャップを埋める役割を担っています。「すごく楽になった」という実感と、呼吸数の減少・胸腹部の動きの拡大という数値が重なるとき、お客様の納得感は格段に深まります。呼吸という普遍的な営みを、データという共通言語で捉え直すこと。BREVIはその橋渡しとなるツールとして、ピラティス現場に新たな可能性をもたらしています。

次回は、別の現場でのBREVI活用事例をご紹介します。呼吸データをどのように評価・介入に活かしているのか、引き続きご注目ください。

なお、BREVIの機能や導入方法、料金などの詳細は、公式Webサイトにまとめています。呼吸の状態を客観的に把握したいと感じている方は、ぜひ一度ご覧ください。

呼吸可視化アプリ「BREVI」の詳細はこちら

活用事例

呼吸可視化BREVIは、整形外科クリニック・治療院・ピラティス/ヨガスタジオなど、さまざまな現場で活用されています。ここでは、たとえば呼吸データをどのタイミングで測り、どのように説明・介入に活かしているのか、そして現場にどんな変化が生まれたのかなど、実例をもとに紹介します。「評価が伝わらない」「リピートの継続につながらない」といった課題に対して、呼吸を“見える化”することで何が変わるのか、導入前後の工夫やデータも含めて、ぜひ各事例をご覧ください。

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